5.外壁塗装の用語集〜 塗り替えの際に知っておきたい専門用語をすばやくチェックできます。

ア行

アクリル樹脂塗料

メタクリル酸メチル(MMA)を重合して作られたアクリル樹脂を使用している塗料。建築用塗料ではポピュラーなものです。

アクリル樹脂エマルション塗料

樹脂を水の中で分散させたものをエマルションといいます。アクリル樹脂を水に分散させたものがアクリル樹脂エマルションです。この樹脂を使用している塗料をアクリル樹脂エマルション塗料といいます。建築用塗料では、ポピュラーな塗料です。

上げ裏

軒先の天井部分のように上方に設けられたもので、下から見える部分です。

足場

工事を行う場合の仮設作業の床、作業員の通路などの目的で構成された、木製または鋼製の仮設物。本足場、一側足場、吊足場などの形式があります。戸建住宅からマンションのような大型物件まで、塗り替えの場合は必ず足場が組まれます。

上塗り(塗料)

最後に塗装するのが上塗り(塗料)です。
建築用の場合、建築物の美観を整えるとともに、紫外線や風雨などから建築物を守ります。

ウールローラー(ナップローラー)

建築物の塗り替えでは、一般的に用いられる塗装用具です。塗料をローラー部に付けて被塗物に塗りつけていきます。塗装の仕上げ(模様)に応じて、毛の長さが違うものを使用します。

エアスプレー

塗料を霧状に噴出して塗装する塗装具。建築物の塗替えでは、ほとんど使用されていません。

エアレススプレー

塗料を高圧(60〜200kg/cm2)に加圧して小口径から噴出し、吹き付け塗装を行う塗装具。 建築物の塗り替えでは、塗料の飛散による近隣の汚染が問題となり、多くの場合はローラーを使用します。工場の塗替えなど、大面積の塗り替えの場合、よく使用されます。

ALC

オートクレープ(高温高圧蒸気)養生して作った気泡コンクリート。軽量で断熱性、耐火性に優れ、内外壁、屋根、床などに使用されます。

エフロレッセンス

石材やコンクリートなどの表面にできる白い結晶のことで、白華、鼻たん、擬花ともいいます。 下地処理が不充分な場合、塗装した面にも出てくることがあります。

エポキシ樹脂(塗料)

昨今環境ホルモンや変異原性などで問題となっているビスフェノールAというエポキシ樹脂を、ポリアミンや無水フタル酸で架橋し、硬化させます。金属の錆び止めなど、下塗り塗料としてよく用いられます。
また硬化した樹脂は硬く、床用として多く使用されます。また、塗料のほかに、接着剤、電気絶縁材料にも使われます。

エマルション

水に樹脂が分散し、安定化しているもののことをいいます。

縁切り

屋根材の重なり部分で塗料のたまった切片を刷毛などで横方向にそぎ取り、最後に皮すきなどで余分な塗料を取り除くことを縁切りといいます。放置しておくと、漏水の原因になる可能性があります。最近では、縁切り専用の器具で「タスペーサー」というものがあります。

凹凸模様(スタッコ)(スチップル)(マスチック)

専用のローラーを使用して、高粘度の塗料に凹凸模様をつけます。
スタッコは、大きな模様で吹き付けて模様をつけます。
スチップルは、長毛のローラーを使ってさざ波のように仕上げます。
マスチックは、専用のマスチックローラーで独特の模様を付けます。

OP

古くからあるいわゆるペンキのことで、合成樹脂調合ペイントといいます。現在でも寒冷地を中心に屋根や鉄部に塗装しています。

カ行

掻き落とし

塗り壁仕上げの一種。モルタルで下塗りしたうえで寒水石などとセメントを混合したものを塗り、未硬化の時にかき落として表面を粗面にした仕上げのことです。30年ほど前までは戸建住宅の壁でよく見かけましたが、最近では塗装やサイディングボードが主流になっています。

笠木

塀や手摺り壁などの頂部をおおっているコンクリート。モルタル製、材木製、金属製、石製などの笠状の部分を指します。

可使時間

モルタル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂など、反応硬化型の材料で二液(主剤、硬化剤)を混合してから使用可能な時間の長さのこと。塗料を混合した後の気温により、可使時間は変わります。特にエポキシ樹脂は気温によって可使時間が変わるため、夏型、春秋型、冬型などがあります。

可塑剤

弾性の塗料(柔らかい塗料)、シーリング材など、柔軟性を持たせるために配合する添加剤です。

がらり

羽板を取りつけた窓の一種で、固定式と開閉式があります。直射日光や雨の浸入を防ぐとともに、通風換気が目的です。

含水率

材料に含まれる水分の割合。新築の建築物に塗装する場合、含水率を測定し、充分に乾燥していることを確認してから塗装します。

顔料

塗膜の耐久性をアップさせる体質顔料と、美観を持たせる(色をつける)着色顔料があり、塗料には必ず配合されています。(クリヤー塗装の場合は別)

クラック(ひび割れ)

コンクリートに起こるひび割れをクラックといいます。コンクリートを流し込んだ後、経年とともに収縮し、必ずクラックが発生します。細かなものをヘアークラック、大きなものは構造クラックといいます。放置すると酸性雨により中性化が進行するとともに鉄筋が腐食してきますので、早期の補修が必要です。

結露現象

昼夜の温度差が大きい場合、結露が発生します。塗装後、塗料の乾燥が不充分な段階で結露すると、塗膜性能が出ない可能性があります。

ゲル化

塗料を長期間放置すると徐々に粘度が上がっていき、化粧品のジェルのようにねばねばします。これをゲル化といいます。

ケレン

床、天井、壁などの表面に付着する異物を除去することです。塗装工事では、さび落としや旧塗膜の除去など、素地調整することをいいます。

高圧洗浄機

高圧の水を被塗物に噴射して、付着物(ゴミ、苔、カビ)を除去する器具です。
塗り替えを行う際の素地調整は、高圧の水で洗浄することが一般的です。

工程(塗装工程)

塗装する際の手順を記載したものです。塗装仕様書や施工要領書などと呼ぶことがあります。

高分子材料

分子量約1万以上の化合物の総称。澱粉、セルロース、たんぱく質、弾性ゴムなどの天然物質のほか、合成ゴム、合成樹脂、合成繊維などがあります。

コーキング材(シーリング材)

現在、シーリング材と同じ意味で使われています。サッシ、サイディングボードの目地などの充填材でゴム弾性があり、素材の収縮に追従するとともに、漏水を防止します。

骨材

硅砂が一般的です。コンクリートに配合されており、強度を上げる役割があります。また、塗料に配合して塗装後に滑り止めの役割を果たすものもあります。

碁盤目試験

塗膜の接着力試験方法の一つ。塗膜にタテ・ヨコ2〜4mm間隔でカッターを入れ、セロハンテープで引きはがし、接着程度を測定します。

サ行

JASS

建築工事の仕様の標準化をめざし、日本建築学会で工事別に分類して定めた仕様。 わが国における権威ある標準仕様として、国土交通省をはじめとする諸官公庁、および民間の設計、建築会社が採用しています。

JIS

工業標準化法に基づいて鉱工業品の品質を定め、これを調査会の議決をもって指定商品化し、経済産業大臣の許可を受けて表示されます。品質管理と品質の安定が主たる目的です。

素地調整

手工具、電動工具、高圧洗浄機などを用いて、被塗面のゴミ、ホコリ、苔、カビ、旧塗膜などを除去し、塗り替え塗料の性能を充分に発揮できるよう素地を整えることです。

下地処理

コンクリート面のクラックの補修や欠損部の補修、浮き部の補修などのこと。サイディングボードでは目地部のシーリング材の打ち直しなどを下地処理といいます。下地処理は塗り替え塗料の性能を充分に発揮できるように行います。また、塗り替え後の美観を整える効果もあります。

シックハウス

室内空気汚染、シックハウス症候群、化学物質過敏症など、近年いろいろな名称で呼ばれています。建物から発生する物質が原因でのめまい、吐き気、頭痛、平衡感覚の失調、呼吸器疾患など、いろいろな症状や体の不調を感じることです。シックハウス対策で一般的なものがホルムアルデヒド放散等級です。特に居室用塗料では、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆(Fフォースター)を用いることが常識となりつつあります。

シート防水

合成ゴムや合成樹脂を原料に積層成形した合成高分子シートを、接着剤を用いて貼りつけ、防水することです。

ジョイント

継ぎ目、合わせ目のこと。

シーラー

新設コンクリートの場合、表層の浸透・強化を行うとともに上塗り塗料の吸い込みを防止します。また耐アルカリ性、上塗りとの密着性向上などを目的とした下塗り塗料です。

シリコン樹脂(塗料)

けい素(シリコン)を主成分とする合成樹脂塗料で、建築物の塗替えでは最近主流となっています。

シーリング材

サッシ、サイディングボードの目地などの充填材で、ゴム弾性があり、素材の収縮に追従するとともに漏水を防止します。

スチップル

ゆず肌模様や細かい凹凸模様のことです。

スレート

石綿スレートが有名ですが、これには石綿(アスベスト)が含まれていたために健康被害が近年重大な問題となり、平成16年(2004年)10月からは石綿含有製品の製造及び使用が禁止されました。現在では無石綿スレート(繊維セメント)に切り替わっています。

セメントフィラー

合成樹脂エマルション入りセメント補修材。コンクリートの欠損部の補修やALCの下地処理材として使用されます。

素地調整・下地処理

塗り替えにおいて付着物を除去することを素地調整といいます。
素地調整後、下地の不具合を補修することを下地処理といいます。

タ行

単層

中塗り・上塗りまたは上塗りのみの工程のうち、同一材質で仕上げた塗膜。 かつては単層弾性という塗料で塗り替えされることが多かったのですが、最近では微弾性フィラー+上塗りという組み合わせで仕上がる仕様が増えてきています。

中性化

セメントモルタルやコンクリートは基本的にアルカリ性で、このアルカリ性が失われることにより強度が落ちてきます。このようにアルカリ性を失う現象を中性化といい、酸性雨などがコンクリートに浸透していくことにより進行します。

チョーキング

白墨のチョークからきており、白亜化ともいいます。
太陽光の紫外線や風雨によって塗膜の樹脂が劣化し、配合されている顔料などがむき出しの状態になってきます。白く粉がふいたような状況になり、手で触れるとチョークを触った時のようになります。チョーキングは、樹脂の強度や顔料の安定性に大きく左右されます。

テクスチャー

サイディングボードでは、意匠性を上げるためにつけられた模様などのことです。 塗装では、凹凸模様などのことです。

透湿性

水蒸気の透過性があること。
寒冷地では屋内外の温度差が大きく、室内が結露しやすいので、多くの場合透湿性のある塗料が塗装されます。

塗装間隔・工程間・工程内

カタログなどに記載している塗装間隔は、気温が23℃の時の塗装間隔です。
工程間は、下塗り塗装後、上塗り塗装が可能となるまでの時間を記載しています。中には上塗りを塗装できる限界の時間を記載しているものもあります。(例:2h以上14日以内)
工程内は、上塗りなど2回塗りが必要な塗料で、1回目の塗装後から2回目の塗装が可能となるまでの時間を記載しています。

塗付量(kg/m2・回)

塗料を塗装する際に1m2当たりどれくらいの量を一度(1回)に塗装すれば塗膜の性能が発揮されるかを記載しています。カタログなどに記載している塗付量の範囲内で塗装しないと塗膜の性能が発揮されません。

ナ行

中塗り

通常は下塗り・上塗りの工程で仕上げることが多いですが、シーラーまたはプライマーなどの下塗りを塗装した後、上塗りまでにフィラーなどを塗装する場合、中塗りという言い回しを使います。

ハ行

暴露試験

塗料を塗装した試験板を屋外に南面に一定の角度で設置し、経年劣化を測定する試験方法です。弊社の場合はより過酷な条件に耐える塗料を開発するため、紫外線照射量が多く、風雨に曝されることが多い沖縄と西表島に曝露試験場を有しています。

巾木

床面から壁面につながる立ち上がりの部分。

破風(板)

日本建築で屋根の切髪についている合掌型の装飾板。かつては木製の物が多かったのですが、最近ではあまり見かけなくなってきています。

吹付け塗装

塗料を霧状にして吹き付ける塗装方法。エアレススプレーが一般的です。

プライマー

下塗りに用いる塗料の総称。Primal(最初に)という言葉が語源で、最初に塗装するものという意味です。英語ではアンダーコートといいます。

不陸

塗装面が平らでないこと。下地が平滑でなく波打っている状態です。

ブリスター

塗膜表面に生ずる水泡や膨れ。新打設のコンクリートで養生乾燥期間を充分に確保せずに塗装した場合、発生することがあります。

ヘアークラック

コンクリート、モルタル塗装面に生じ、最深部に達しない細かいひび割れのこと。

ペーパー

サンドペーパーのことです。

ポットライフ

2液塗料で塗料液と硬化剤を混合した後の使用可能時間です。

ポリマー

高分子化合物。塗料では樹脂がポリマーです。

マ行

マンセル

色相(色の変化)、明度(色の明るさ)、彩度(色の鮮やかさ)の色の3属性(ベクトル)を3次元で表現する方法。

見切縁

壁の隅など仕上げ材料が変わるところに入れる細い材のこと。

無機

無機化学または無機化合物の略。一般的にはセメント系のものをいいます。

目地

レンガやブロック造りPC工法などのつなぎ目。最近ではサイディングボードのつなぎ目も目地といいます。

モルタル浮き

コンクリート・モルタル仕上げの躯体で、経年によりコンクリートとモルタルが肌分かれを起こした状態。モルタル浮きを放置しておくとコンクリートの剥落の危険性があるため、早急に補修が必要です。アンカーピーニング法やピンネット工法などの補修方法があります。

ヤ行

有機

有機化学または有機化合物の略。

窯業系サイディングボード

主原料としてセメント質原料および繊維質原料を用いて板状に成形し、養生・硬化させたもの。
最近の戸建住宅や低層のマンションの壁面用の素材として用いられることが多くなってきています。

溶剤(シンナー)

VOCともいい、溶剤系塗料に配合されています。また、溶剤系塗料の希釈剤に用いられます。
水性塗料でも凍結防止剤や造膜助剤といった添加剤として配合されています。

養生

塗装では、塗装してはいけない部分にシートをかぶせることをマスキングといいますが、この時に使用するシートを養生シートといいます。
コンクリートでは、打設後に強度が充分に出るまで放置することを養生といいます。

ワ行

ワイヤーブラシ

針金によって造られたブラシ。高圧洗浄後に取りきれなかった素地の汚れ、カビなどを落とす用具です。特に鋼板の塗替えではサビが発生している部分のサビを除去するために使用します。

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